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寒くなったね。といっても僕はこの季節が大好きでうれしいんだけど。外が寒いと、家の中の温かさがことのほかありがたく感じる。子供の頃、温かいこたつを囲んで、よく兄弟みんなでテレビを見たりしたっけ。今日の晩ご飯何かなぁとか姉貴と当てっこしながらね。 |
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クリスマスが近づくと、今日のごはんよりもクリスマス当日のごちそうの話題になるの。我が家のクリスマスは、たくさん料理を作ってみんな揃って楽しむのがお約束。普段は、和食や韓国料理の食卓だったから、一年に一度、堂々とフレンチやイタリアンなどの洋食(といっても唐揚げとかビーフシチュー、サンドイッチなんだけど……)が一度にたくさん食べられるこの日はうれしくて、うれしくて。冬休み最初のご褒美、というより一大イベントって感じ。お腹が苦しくなるほどたくさん食べるんだ。それもまたうれしくて。お寿司に唐揚げ、シチューやサンドイッチ、いろんな国のオードブル。ミートローフやビビンバ、焼き肉もあって、とにかくすごいごちそう。5人も兄弟がいたし、一年にたった1度でしょ、母さんが腕を振るってくれた。お菓子だって、ポッキーは当時流行っていた氷に刺したスタイル、「ポッキー・オン・ザ・ロック」でテーブルに飾られたんだよ。チョコレート菓子が堂々と食べられるなんて、夢のようだった。たいていパーティー前につまみ食いしちゃうから、追加し直すんだけどね。 |
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ベーコンと玉ネギのシンプルな具のキッシュをテレビで見た母親が再現してくれたんだけど、年々中の具が増えていって。野菜がいっぱいだから当然卵生地が少なくなって、パイ生地もだんだんなくなり甘くないビスケットを砕いて敷いてあったりした。少しでもいろんな野菜を食べさせたいという親心だったんじゃないか、と最近ではそう思ってる。 |
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土地柄、雪が降るロマンティックなクリスマスは少なかったから、ホワイト・クリスマスには憧れた。絵本のように、雪でかまくらを作って、中で美味しいものを食べるのが夢でもあった。雪の上にポッキーを刺して、冷やして食べたら美味しいだろうな、とか。だから今回、ポッキーでキッシュとポッキー・オン・ザ・スノーなんていうスウィーツを考えてみたの。野菜とポッキーは相性がいいんだ。甘さとほろ苦さがとてもいい感じ。ポッキーを生地に見立ててみたの。ポッキー・オン・ザ・スノーは、なんとお麩を使うんだけど、これがあなどれない美味しさ。お麩のソテーは、子供の頃のおやつだったんだ。懐かしくて、でもなぜか新しい。そういえばポッキーも、そんな感じがしない?いつ見ても食べても、懐かしくて新しい。 |
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できあがった料理を今、東京で食べながら、なんだかしみじみと考えちゃった。今年の年末は実家に帰って、ゆっくり甥っ子たちとポッキーアレンジ料理を楽しみたいな。彼らが大人になったとき、思い出してくれるように。スウィーツや食の想い出って、やっぱりとても素晴らしいよね。 |
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ジェイ拝
2004/11月/吉日 |
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1973年三重県生まれ。
韓国の伝統を重んじる厳格な家庭で育ち、アジアというフィールドをバックボーンに持つ気鋭の料理研究家。ライフスタイル全般から食を考え、さまざまな角度から新しい感性で料理を提案する。『はなまるマーケット』(TBS系)をはじめ、テレビ番組や雑誌にも度々登場。著作に『おいしい!韓国レシピ』『おいしい!韓国めんとスタミナ料理』(共にソニーマガジン)、『かんたん、感動、韓国料理』(エイ出版)など。11月に最新刊『甘辛酸の美人ごはん』(情報センター出版局)を上梓したばかり。4月からは雑誌オレンジページの連載「食べに来て!おもてなしは、おうちごはん」と連動したテレビ番組「オレンジページの食べに来て!」(テレビ朝日系列/毎週土曜日17:55〜)にも出演中。 |
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